7.VALUE SYSTEM
バリュー・システムとは価値の組織化、体系化というこである。
人間はセンス・オブ・バリュー(価値観)だけで生きていたとしたら「あれか、これか」という人生で終ってしまう。人間は自分のもっているたくさんのセンス・オブ・バリューをシステムにすべきである。つまり「あれも、これも」ということである。このことが自分の欲求についてのプライオリティ(優先順位)をつけるということである。
人間は価値観だけで生きられるものではない。真に求めるものは無数にあり、それを紙に書いて整理をし、区分けをし、それにしたがって実現可能なプライオリティをつけることが価値の組織化ということである。このバリュー・システムがないと、一つの欲求だけで他のものを犠牲にし無意味なものにしてしまう。
JCはJC運動の中で、いかに自分のバリュー・システムをつくるかということを考えなければならない。そして自分の求めているものを明確に自分の心の中にもつようにすることが、多様化社会の中で自分を見失わないために必要である。これは国民的課題においても同じである。社会開発計画においてアンケートをつくりまとめることが社会開発であると思われているが、重要なことはそれをもとにしてプライオリティをつけ、バリュー・システムをつくることである。
今日の日本の社会において文化の軸がなくなっている。すべて軽率なかんたんなもので逃げる傾向が強い。それは日本の社会の中にバリュー・システムがないからである。そのために真にあるべきものが忘れられている。経済の軸、政治の軸、文化の軸と同時に精神面の開発が欠けている。精神面の開発のためには、自分で自分の心を練り磨き上げるしかない。それは市民一人びとりが本気で自分のことを考えることである。
真理は時代の娘であると言う。生きる道理は変わりないのである。
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